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萩原教章の一刀両断

東京・渋谷区でIT会社を経営する萩原教章です。業務改善・システム開発・要件整理・IT導入・外注前準備・現場フローをテーマに発信しています。 「システムを入れたいが、何を頼めばいいか分からない」——そこで止まる現場の多くは、技術ではなく現場の情報が整理されていないことが原因です。 作業順・確認項目・帳票・引き継ぎメモといった現場の情報を整理し、システム開発やIT導入の「前」に相談しやすい形へ整えるのが、私の役割です。要件が固まる前の段階から、お気軽にどうぞ。

ある申請対応を例に外注前の準備を考える

萩原教章です。
外注前に何を渡せばいいか、という相談をよく受けます。
言葉で説明するより、一つの業務を例にしたほうが伝わりやすいので、今回は身近な申請業務を一つ取り上げて考えてみます。
特別な業務ではなく、どの会社にもある小さな手続きのほうが、見方を練習しやすいと思います。

例にするのは、備品の購入申請

例として、社内でよくある備品の購入申請を考えます。
担当者が申請書を書き、上長が確認し、購入して、届いたら記録する。
文にすると一行ですが、実際にはいくつもの分かれ道があります。
金額が一定を超えたら、別の承認が加わる。
在庫が残っていたら、購入しない。
急ぎのときは、先に電話で相談してから申請する。
こうした分かれ道が、担当者の頭の中だけにあることが多いのです。慣れた人ほど自然に判断していて、言葉になっていません。

まず、通る道を一本書く

外注前に最初にやりたいのは、いちばん多い通常の流れを一本書くことです。
  • 申請書を受け取る
  • 内容と金額を確認する
  • 上長へ回す
  • 承認後に購入する
  • 届いたら記録する
まずはこの一本だけで構いません。
例外や特別な場合を先に集めると、話が広がりすぎて手が止まります。
いちばん多い流れが一本あると、後から出てくる例外もどこにつながるのかが見えやすくなります。

次に、道が分かれる場所に印をつける

一本の流れが書けたら、その上で道が分かれる場所を探します。
金額を確認する、のところに「一定額を超えたら」という分かれ道があります。
内容を確認する、のところに「在庫があったら」という分かれ道があります。
この分かれ道に、短い言葉で印をつけていきます。
分かれ道の数が、そのまま相談したい論点の数になります。
最初から全部を出そうとせず、思い出した順に印を足していけば十分です。

渡すのは、清書された資料でなくていい

外注先に渡すものは、きれいな仕様書である必要はありません。
手書きの流れ図でも、箇条書きのメモでも構いません。
大事なのは、通常の流れと、分かれ道の場所が見えることです。
清書に時間をかけるより、分かれ道の説明を一言添えるほうが、相手は質問しやすくなります。
かえって、整いすぎた資料は現場の実際が見えにくくなることもあります。

分かれ道ごとに、誰が決めるかを添える

分かれ道に印をつけたら、そこで誰が判断するのかも短く書いておきます。
金額が超えたときは、誰に確認するのか。
在庫があったときは、担当者だけで止めてよいのか。
急ぎのときは、誰の判断で順番を変えられるのか。
判断する人が書かれていると、外注先は画面や通知の設計を考えやすくなります。
流れと判断者がそろって、はじめて相談の材料になります。

例外は、本流の脇に短くメモする

分かれ道を書き出していくと、めったに起きない例外も一緒に思い出します。
それを通常の流れの中に全部書き込むと、本流が読みにくくなります。
通常の流れは一本に保ち、例外はその脇に短くメモしておきます。
どの場所で分かれる例外なのかが分かれば、それで十分です。
たとえば、金額を確認する場所の横に「後払いのときは別の担当へ」と一言添える。
この書き方なら、本流を追いながらでも例外の存在が見えます。
本流と例外を分けておくと、外注先も、どこを標準で作り、どこを個別に扱うかを考えやすくなります。
一つの業務から外注前の準備を考える記事は、萩原教章の業務改善とシステム開発の記事一覧にもまとめています。

書くときは、実際の担当者と一緒に

この流れを書く作業は、一人で抱え込まないほうが早く進みます。
実際に申請を書いている人、確認している人に、その場で聞きながら並べていきます。
頭で考えた流れと、現場で動いている流れは、細かいところで食い違うことがあります。
担当者と一緒に書くと、その食い違いがその場で見つかります。
ここは飛ばしている、ここは順番が逆、といった声が、いちばんの材料になります。
清書はあとからでも直せますが、実際の流れは現場の人しか知りません。
現場の流れを外注前に整える考え方は、萩原教章のアメブロでも発信しています。

例が一つあると、次の業務にも使える

備品の購入申請を一度この形で書けると、別の業務にも同じ見方が使えます。
通常の流れを一本書く。
分かれ道に印をつける。
それぞれの判断者を添える。
一つの業務を最後まで書ききった経験が、次の外注相談の下地になります。
最初の一つは時間がかかっても、二つ目からは同じ手順でたどれます。
流れを見る目ができると、相談のときに相手が何を知りたいのかも想像しやすくなります。
まずは、いちばん身近な業務を一つ選んで、通常の流れを一本書くところから始めてみてください。
確認項目や分かれ道の整理については、萩原教章のはてなブログでも確認できます。

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