萩原教章です。
現場の流れを整理していると、通常の順番は書けても、急ぎが重なったときの扱いが決まっていない場合があります。
どれも急ぎ、と言われたとき、現場は何を基準に順番を決めているのか。
ここは手順書に書かれていないことが多く、担当者の判断に任されがちな部分です。今回はこの話を書きます。
通常の順番だけでは足りない
手順書には、受け取った順に処理する、と書かれていることがあります。
ただ、実際には順番どおりに進まない日があります。
特定の相手からの依頼を先に回す。金額の大きいものを優先する。今日中と言われたものを先にする。
こうした判断は日常的に行われていますが、書かれていないことがほとんどです。
判断しているのは誰か
まず確かめたいのは、その順番を誰が決めているかです。
担当者が自分の判断で決めているのか。責任者に確認してから決めているのか。
担当者が決めている場合、その基準は人によって違う可能性があります。
同じ状況でも、人が変われば順番が変わる。これは引き継ぎのときに問題になりやすい部分です。
実際にあった一日をたどる
基準を聞く前に、実際に急ぎが重なった日のことをたどってもらう方法もあります。
その日、何件が同時に来たのか。どれを先に処理したのか。そのとき何を考えたのか。
一般論として聞くより、具体的な一日を振り返るほうが、判断の中身が出てきます。
特別な日ではなく、月末や週明けなど、混みやすい時期を選ぶと集めやすくなります。
何を見て決めているかを聞く
順番を決めている人に、何を見て判断しているかを聞きます。
期限までの日数を見ているのか。相手先を見ているのか。作業にかかる時間を見ているのか。
本人は感覚で決めているつもりでも、聞いていくと共通する基準が出てくることが多いものです。
その基準を短い言葉にできれば、他の人にも引き継げるようになります。
割り込みが入る条件を書く
順番を飛び越して先に処理するもの、いわゆる割り込みがある場合もあります。
どんなときに割り込みを認めるのか。誰が指示できるのか。
ここが決まっていないと、声の大きい依頼が優先される状態になりがちです。
割り込みの条件を書いておくと、担当者も断りやすくなります。
決められないときの逃げ道を用意する
現場が困るのは、判断がつかないときに相談先がない状況です。
どれも同じくらい急ぎに見える。どちらを優先しても問題が出そうだ。
こういうときに、誰に聞けばよいかが決まっていれば、担当者は止まらずに済みます。
判断を任せきりにせず、迷ったときの相談先まで含めて決めておきます。
後回しにしたものを見えるようにする
順番を決めるということは、後回しになるものが出るということです。
ここで困るのが、後回しにしたまま忘れられてしまう場合です。
先に処理したものは記録に残りますが、待たせているものは見えにくくなります。
待ち状態のものが一覧で見えるようにしておくと、放置を防ぎやすくなります。
順番を決める仕組みと、待たせているものを見る仕組みは、あわせて考えておきたい部分です。
順番を変えたことを相手に伝える
優先順位を変えると、後回しになった依頼の相手が待つことになります。
このとき、何も連絡がないと、相手は進んでいるものと思って待ち続けます。
いつごろになるかを一言伝えるだけで、問い合わせの手間は減らせます。
順番の決め方には、伝える相手と伝え方まで含めておくと、現場も動きやすくなります。
システムに載せるなら、順番の考え方も伝える
一覧画面や作業リストを作る場合、この順番の考え方は設計に関わります。
何を上に表示するか。急ぎをどう見せるか。割り込みをどう扱うか。
通常の流れだけを伝えて作ってもらうと、実際の運用と合わない画面になることがあります。
順番の決め方まで含めて伝えると、現場で使える形に近づきます。
例外を認める人を決めておく
基準を決めても、そこから外れる依頼は必ず出てきます。
そのとき、誰なら例外を認められるのかを決めておきます。
決まっていないと、依頼者と担当者のあいだで押し問答になります。
例外を認める人が決まっていれば、担当者はその人に判断を渡せばよくなります。
判断を引き受ける人がいることが、現場の負担を軽くします。
決めた順番も、見直す前提で
優先順位の基準は、扱う量や取引先が変われば合わなくなります。
一度決めた基準を守り続けるより、合わなくなったときに見直せる形にしておくほうが現場に合います。
萩原教章は、業務改善やシステム開発を、現場で実際に行われている判断から整理する発信をしています。
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